ターナー症候群について

ターナー症候群ってどんな体質?
どのような症状があるの?

このページでは、「ターナー症候群」について、専門医師の監修(かんしゅう)のもと詳しくお伝えしています。

お子さんがターナー症候群と診断されて不安になっていらっしゃる親御(おやご)さんや、自分の体質について詳しくしりたいというご本人が、症状(しょうじょう)について正しい知識(ちしき) を持っていただければと願っております。

ターナー症候群とは?

「症候群」という言葉は同じ原因により、同時に発生する特徴や症状を総称したものです。ヘンリー・ターナー博士は、身長が低い、性的発達がない、外反肘(腕が肘のところでわずかに外側に向いている)、翼状頚(首の周りに皮膚のたるみがある)、背中側の髪の生え際が低い女子の特徴をひとつの症候群として捉えました。彼は1938年にこのような特徴をもつ7人の女子について論文を発表しました。このような症状の原因については不明でしたが、これらの女子に似通った点があることに気づき、他の医師に注意するように呼びかけました。そして、このような特徴はターナー症候群として知られるようになりました。

それから21年後、フォード博士はターナー症候群の原因が性染色体の欠失であることを突き止めました。殆どのターナー女性は一方のX染色体がすべてまたは部分的に欠けていることを発見し、この染色体の欠失がターナー女性にみられる身体的特徴の原因ではないかと考えました。

ターナー症候群は遺伝子に問題があるものの中では比較的よくみられるものの一つで、1,000~2,000人(女子)にひとりの割合です。幸い、ほとんどのターナー女性は健康で幸福な人生を送ることが期待できます。

この欠失は、精子と卵子が受精する時に、あるいは受精卵が分裂する初期の段階でおこる突然変異によるもので、兄弟姉妹には影響しません。例外的にはお母さんがターナー症候群で自然に妊娠し、出産された場合は兄弟姉妹でもあり得ます。ターナー症候群の胎児は約95%が自然流産してしまいます。生まれてきたターナー女性は選ばれた人たちです。誇りを持って育ててください。またご本人も自信をもって生きてください。
※日本イーライリリー出版、「ターナー症候群 ご家族へのガイド」より一部引用させていただきました。

ターナー症候群について

ターナー症候群にはいくつかの共通する身体的症状があります。低身長、二次性徴が自然におきないことなどです。しかしこれらは医学的ケアによって対処することができます。また、ほかにも気をつけておきたいことがありますので、以下に簡単に述べます。

  • 成長ホルモン
  • 低身長については、成長ホルモン治療が有効なことが知られています。わが国で治療を受けていなかったターナー女性の平均身長は約138cmで、現在、治療を受けた人の平均身長は約145cmです。150cmを超える人もでてきました。自宅で皮下注射を行ないますが、針は細くて短いため痛みは殆どありません。安全な薬で副作用も殆どありません。大腿骨の骨頭がずれる大腿骨頭すべり症があるといわれていますが、たいへん稀なことです。
  • 女性ホルモン
  • ターナー女性では20%には自然に思春期が発来しますが、80%の人では、思春期の発来がみられず、女性ホルモン治療が必要です。12-14歳頃から内服薬を開始します。通常の錠剤の1/10錠の少量から始め、段階的に増量します。増量していくにつれ、胸も膨らみ月経も始まります。月経がみられたら、もう1種類の薬をくわえ2種類の薬により、一般の女性と同じ性周期になるようにします。
  • 合併症について
  • もっとも多い合併症は耳鼻科疾患です。中耳炎になりやすく、根気強く耳鼻科的治療を行なうことが必要です。難聴を伴うこともありますので、注意が必要です。 約20%の人に先天性循環器疾患を伴います。診断がついたとき、心臓の超音波検査で先天性心疾患がないかどうかみてもらう必要があります。もしなければ、次いで16-18歳頃、超音波、またはMRIを検査して、大動脈の起始部の拡張がないかどうか調べます。大動脈瘤の解離により命に関わることがあり、数年に一度フォローすることが大切です。 成人では、肥満、糖尿病、甲状腺疾患、骨粗しょう症についての注意も必要です。
  • 知的面について
  • 一般的にはターナー女性は知的には正常です。学歴は一般の女性よりも高いというデーターもあります。しかし、算数が苦手、とくに図形の問題が苦手、体育が苦手ということはよく聞きます。まじめな性格の人が多く、ゆっくり時間をかければ、理解できるようになります。一部の人では知的障害を伴うこともあります。
ターナー症候群について~学校の先生方へ~


ターナー症候群について~学校の先生方へ~

ターナー症候群という低身長と卵巣機能不全をきたす体質があります。
女性の1,000~2,000人に一人の率ですが、一般にはよく知られていないため、ターナー症候群というと、かえって偏見を受けたりすることをおそれ、隠しているのが現状です。しかし低身長のためいじめをうけたり、算数や体育が苦手で苦労したりする子もいます。家庭医学書などにも簡単な記載がありますが、知能低下があるなど誤った記載も見られます。近年、成長ホルモン治療により背を伸ばせることも明らかになり、女性ホルモン治療により思春期も発来し、治療法もずいぶん進んできました。

私たちはターナー症候群の本人や家族の悩みを解決する目的で。「ひまわりの会」を設立し、定期的な講演会やレクレーションの集いを開催しています。

この度、学校の先生向けのわかりやすい説明書を作ることが、ターナー症候群の子ども達にとって役立つのではないか、という意見が出され、この説明書ができました。
先生方にとってもなじみのない名前ですが、ぜひ一読していただき、理解を深めていただければ、幸せに存じます。

おなかの赤ちゃんがターナー症候群と診断された方へ

「ターナー症候群」という聞き慣れない言葉を聞いて驚かれていることと思います。
「これから健康に育っていくのだろうか」「この子を産みたいけど、それが本当に赤ちゃんにとって幸せになるのか・・・」日々大きくなっていく赤ちゃんと向き合いながら、頭の中でぐるぐると悩まれていることと思います。

ターナー症候群は、染色体欠失ではありますが、知的な遅れなどはほとんど見られず(核型によってまれにみられるケースがあります)、低身長、赤ちゃんが授かりにくいという問題はあるものの、ほぼ普通に学校に進み、社会に出ています。

近年は、成長ホルモンで、低身長は就職などに不利にならない程度には改善され(治療後の身長は平均約145cm)、医師、教師、看護師などの専門職も含め、さまざまな職業についてる方がいます。

赤ちゃんが授かりにくいという問題に関しても、不妊治療の技術が日進月歩で進み、出産されている方もおられます。子どもがいないけれど結婚して夫婦仲がよい平穏な家庭を築いているターナー女性のカップルも多数います。ターナーでなくても子どもがいない夫婦はたくさん存在します。

医療的には一般的に、小児期には成長ホルモン、思春期から更年期までは女性ホルモンの投与があります。成人するまでは「小児慢性特定疾患」という制度があり、所得によって月々の負担額が違いますが、家庭の財政を脅かすようなことはまずないと思って大丈夫でしょう。女性ホルモンも一般家庭に負担できない額ではありません(これは一般の方でも更年期の補充療法をすることがあるのと同じです)。

わからないことがたくさんあり、これからどうしたほうがおなかの赤ちゃんにとってベターなのか悩まれているご両親もいらっしゃることと思います。
一度最寄りのターナーの会にコンタクトをぜひとってみてください。実際にターナー少女を育てているご両親、成人したターナー女性、そして今育っているターナー少女を実際に見てみてください。
http://www.osaka-himawari.com/about/41.html

また、わからないことがあったら、いつでも、こちらのお問い合わせ先に何でもお聞きになられてください。
✉ http://www.osaka-himawari.com/contact/entry_contact.php
☎ 090-6064-6913(ひまわりの会相談役:岸本)